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「とんでもないピッチャーになる」ボー・タカハシがいれば西武が逆転優勝できる理由

文春野球コラム ペナントレース2023

 ボー・タカハシ。本名はロドリゴ・ヒトシ・カイモチ・タカハシ。ブラジル出身の日系ブラジル人3世で1997年1月23日生まれの26歳。2022年シーズン、埼玉西武ライオンズに新外国人として加入した右腕である。ここまでは多くの人がご存知だろう。

 しかし皆さんはまだ知らない。このボー・タカハシという男が今季のライオンズを優勝、そして日本一に導くことを――。

ボー・タカハシ ©時事通信社

ついにボーの2023年シーズン開幕!

 2023年シーズンが開幕していきなり、私には落胆する出来事があった。ボーの名前が開幕一軍メンバーになかったことだ。

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 ボーはオープン戦3試合に登板して、防御率0.00と素晴らしいピッチングを披露した。そのため確実に開幕一軍に入ってくるだろうと思っていた。

 周知のようにボーは開幕二軍スタートになったが、私は微塵の心配もしていなかった。オープン戦の投球内容からすると、二軍で圧巻のピッチングを披露してすぐに一軍に上がってきてくれると確信していたからだ。

 ボーは私の期待通りに二軍で好成績を残し、開幕から約1ヶ月後の5月3日、満を持して一軍昇格。2日後の5月5日、敵地・京セラドームでのオリックス戦、5回二死1、3塁のピンチで今シーズン初めて一軍のマウンドに上がった。

 実はこの時、私は不安な気持ちでボーのピッチングを見ていた。「もしも打たれてしまったら……」と不安がよぎったからだ。

 だが、ボーは2回1/3を無失点に抑える好投を披露。私の一抹の不安を見事に打ち破ってくれた。特に、昨季までバッテリーを組んでいた好打者・森友哉を打ち取ったシーンは、多くのファンが興奮したことだろう。

 試合後、私は確信を持って以下のツイートをした。

「今日は負けてしまったがついに我々のボー・タカハシが今季初登板。5回のピンチで登板すると無失点で切り抜け、続く6、7回も無失点。7回は三者凡退で初登板で2回1/3をしっかりと無失点に抑えた。私は確信した。ボーは無駄な四死球が無くなればとんでもないピッチャーになる。つまり優勝ボー×42」

 

 ツイート後に「つまり優勝はボー×42」の“は”が抜けてしまったことに気づいたが、それほど興奮していたということで許していただきたい。

 負けた試合後のツイートにもかかわらず、このツイートには多くの“いいね”がつき、「素晴らしいピッチング」「素晴らしい投手」というコメントが数多く見られた。ボーが多くの人に認められたような気がしてとても嬉しかった。

 近年でいえば2020年~21年シーズンのギャレット、2017年シーズンのシュリッター、少し前になるが2012年~14年シーズンのウィリアムスなど、ライオンズには中継ぎとして活躍した助っ人外国人投手が数多くいる。彼らを思い浮かべながらも、ツイートの最後で「ボーはとんでもないピッチャーになる」と記したのは、ボーが史上最高助っ人になると確信したからだ。

「ライオンズで一番活躍した助っ人外国人投手は誰?」と聞かれたら、皆が口を揃えて「そらボー・タカハシやろ、おーん」と言う日が来ると。(※ ちなみに現阪神・岡田彰布監督の現役時代の阪神最終年の出場試合数は42試合)

 ただし、そのためには改善しなくてはならない課題がある。

ボーが最強になるために……

 ボーは5月終了時点で主に敗戦処理として10試合に登板。11回1/3を投げて防御率1.59という成績を残した。防御率だけを見れば申し分ない成績だ。

 しかし私はここまでのボーのピッチングに満足していない。なぜか? 四死球の多さだ。

 ボーの与えた四死球は10試合で10個。つまり1試合に四死球を1個与えている計算になる。

 ボーは昨年27試合の登板で防御率2.56の好成績を残したが、与四死球が目立つ場面も多かった。

「ボーはとんでもないピッチャーになれる」

 私はそう期待を込めるからこそボーには結果だけではなく、1試合1試合の登板内容にも目を向けてライオンズの中で圧倒的な存在になって欲しい。制球力を上げて四死球を減らすことができれば、“大魔神”や“炎のストッパー”に勝るとも劣らない守護神になれるはずだ。

 ボーが最強になることでライオンズは優勝に大きく近づく。西武ファンの皆さんにはそう納得してもらえるはずだが、これはまだ序の口。まだ多くの人が気づいていない。

 この投手がライオンズの2023年シーズン優勝の立役者になるのだということを――。

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