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「あんなに弱かったチームが日本一になって……」

 ここからが始まりだ。まず私は会見が行われるホテルへ。既に報道陣は詰めかけており、球場残留組、ホテル組に分かれたというメディアもあった。しばらくすると球場から選手たちが到着。「おめでとうございます」の声が飛び交う。会見、囲み取材が終わり、ホテルを出たのが深夜2時。腹が減ったがどこも開いていないし、翌日締め切りの仕事は積みまくっている。コンビニで妥協し、深夜の徹夜作業へ。CSも全試合取材したが、こちらは雑誌の入稿はないので、あまりハードとは感じなかった。そして日本シリーズ。現地で取材したい気持ちもあったが、話し合いの結果、同媒体の先輩が現地に行くので、私はその素材をもらいつつ試合のリポートを書く側に回った。

©どら増田

 第7戦の神宮の時は第8戦まで行く可能性もあったので、水道橋のホテルを2泊予約。日高屋の肉野菜炒め定食をテイクアウトして、スコアブックを開きテレビを見ていたらいきなり太田椋選手がホームランを打ち、私は「きょう決まる」と確信。チームはついに日本一になった。「あんなに弱かったチームが日本一になって……」と思っただけで涙が出てしまったが、あまり浸る間もなく会見場へ。会見を終えてから行われた日本一の囲み取材では、普段は言葉を選びながら話す中嶋監督も冗談も交えながらとことん話していたのが印象的だ。ビールかけ会場に向かう選手たちを見送ってから、ホテルに戻る。執筆中に朝5時を迎えたので1階に入っているコンビニへ。全スポーツ紙を購入することができた。ついにオリックス・バファローズが全国区になったのだ。バファローズの日本一特別号に関われたのも嬉しい。

 昨年は御堂筋でのパレードも、ファンフェスタも大盛況で、特にパレードの景色は一生忘れないようにしっかりと目に焼きつけた。弱小球団から常勝球団へ。どんなに弱くても見続けて来たからこそ大きな喜びがあるのだ。

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