ピンちゃんはとことん不運だった
というわけで、僕は猛烈に石井ピンちゃんが心配になった。そうしたら知人から日曜日の第3戦(11回戦)のチケットが回ってきた。行くはずだった人が高熱を出したそうだ。二つ返事でそのチケットを買わせてもらう。願ったり叶ったりだ。清宮とピンは今年、やってもらわなきゃ困る。球場で、自分の声援で、これまでの一切を取り返させる。ケガでくすぶってた分をやり返せ。悔しい想いをグラウンドで晴らせ。連続スクイズ失敗が何だ。敵地ZOZOマリンだって俺らがついている。失敗したら一緒に凹んでやる。泣きたいときは一緒に泣いてやる。大丈夫だぞ、今日は決勝打でヒーローインタビュー行こうよ。
あぁ、そうしたら読者よ、ピンちゃんはとことん不運だった。7回裏、セカンドゴロを悪送球して決勝点を献上してしまった。新庄監督からは「緊張なのか、実力なのか。ファインプレーをしてくれとは言ってないわけで。普通のプレーを普通にしてもらえる安心感を持たせる選手になってもらえるだけでいい。ああいうプレーが増えていくとレギュラーも離れていく」と叱責を受ける。まぁ、走者は和田康士朗だ。送球が逸れてなくてもホームインだった気もする。が、監督の言ってるのはそんなことではあるまい。野球のレベルを上げようってことだ。
石井ピンちゃんは(ヒーローインタビューどころか)二日連続の失敗マンになってしまった。9回、清宮に久々の2号2ランが飛び出し、スコアの上では5対6と接戦の形になったが、結局、二日連続、ミスで競り負けたのであり、そのミスはピンちゃんに帰することになる。
リーグ戦再開、ファイターズはほろ苦いスタートになった。清宮はともかく、チームを勢いづかせる役の石井ピンが不発に終わった。もしかするとしばらくスタメンから遠ざかるのかもしれない。だけど、負けんじゃないぞ。このロッテ3連戦だってヒットは出ていた。ケガしてたときは失敗だってできなかったじゃないか。次、頑張ろう。俺たち、石井一成の復帰を待ってたんだよ、忘れないでくれよ。
追記 移動日を空けて行われた沖縄シリーズの西武10回戦、石井ピンちゃんがスタメンを外されることはなかった。好調の打撃を買われ、逆に1番抜擢。但し、DHでの起用だった。守備に自信のあるピンちゃんとしては大いに屈辱だろう。ちなみにセカンドは加藤豪将が守った。またこの試合、清宮幸太郎が今季初の4番を務めたが、決勝ホームランを放ったのは4番→5番に下がった万波中正のほうだった。万波はリーグトップを走る14号だ。
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