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ちびっこの私に勇気をくれた谷元さん

 大野奨太さんと谷元さんとは、たまたまごはん屋さんでお会いしたことがあります。おふたりは完全にプライベートでしたが、すぐに気がついたまわりのドラゴンズファンの方たちと丁寧にお話しされている姿が印象的でした。メイツとしては、あまり深くかかわる機会がなかったのですが、大野奨太さんが後輩たちからすごく慕われているというのは、そのときの姿から想像できました。

 谷元さんは身長が低い私にとって、すごく勇気づけられた存在です。プロ野球選手の中では小柄なのに、マウンドに立ったときの「抑えてやるぞ」という気迫に満ちた姿に勇気をもらっていました。引退試合での「背の小さな少年少女たちへ。夢を諦めないでください」というスピーチもグッと来ましたし、カンペの紙を見てフフッと笑うところも谷元さんらしかったですね。

 来年は福田さん、直倫さん、大野奨太さんが指導者としてドラゴンズを支えてくれます。ドラゴンズにとって大切な財産だと思いますし、どんなドラゴンズを作ってくれるか楽しみにしています。谷元さんがどんな活動をされるのかも楽しみです。

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ファンが信じなくて誰がドラゴンズを信じるの

 引退試合に、谷元さんを師として慕う日本ハムの山本拓実投手がやってきていたのも感動しました。拓実さんが谷元さんの古巣である日ハムに行ったのも運命的なものを感じます。こういう関係性にやっぱり胸が熱くなります!

 関係性といえば、細川成也選手と和田一浩コーチ。現役ドラフトでやってきた細川選手が和田コーチの指導で開花して、ドラゴンズの日本人選手としては13年ぶりにホームラン20本を打ったのですが、13年前に打ったのが和田コーチと森野将彦コーチだったという……。こういう話を聞くと、運命的なものを感じますし、筋書きのないドラマって感じがします。「野球っていいなぁ」と改めて思ってしまいますね(笑)。

 野球って勝ち負けだけじゃないんです。もちろん勝つことが一番大事ですし、できれば優勝してもらいたいと強く願っています。でも、勝ち負け以外にも、いろいろなドラマがあるんですよね。ベンチでの選手たちの人間模様もそうですし、仲間との絆、先輩後輩の絆、師弟の絆などなど、ワクワクするドラマがいっぱいあります。ぜひ、そういうドラマにも目を向けていただけたらと思います。

 今年はドラゴンズの負けが続いて、ファンの方たちが荒れていたのがよくわかりました。でも、ファンがドラゴンズを信じなくて、誰が信じるのでしょう。やっぱり、ファンがまずはドラゴンズを信じるところから始めなければいけないのではないでしょうか。私はドラゴンズが強かった頃から見ていますが、また強くなれると信じています。

 声援は必ず選手の力になります。チャンスでのドラゴンズファンの声援って、本当に胸にジーンと響くんです。来年も一緒にドラゴンズを信じて応援し続けましょう!

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