進まぬ渋滞、それでも「下道に降りる」は期待薄
ゴールデンウィークには高速道路に無数の車が殺到するため、上に挙げたような大規模渋滞以外にも、断続的に混雑が発生する。事故や落下物といった不測の事態がさらなる混乱を呼ぶケースも考えられ、いくら対策していても渋滞にハマってしまう可能性は拭いきれない。
渋滞にハマった際、ドライバーとしては下道への迂回を考えてしまうが、「その場の判断で下道に降りる」というのは得策ではない。
高速で渋滞が起きていれば、やはり下道も混雑している可能性が高い。とくに大型連休中はインター出口や商業施設の入り口付近など、通常では考えられないような混み方をしていることもある。
見知らぬ土地で適切なルートを探すのも、意外と簡単にはいかないものだ。ナビを使っていても、行き違いが困難な山道に通されたり、思わぬ通行止めが起きていたり、そもそも案内がわかりにくく曲がるポイントを間違えたりと、スムーズに事が運ばないケースもままあるだろう。
渋滞中でもスピードは一般道より速い?
単純に、渋滞している高速道路の平均車速を見てみても、一般道に降りるメリットは小さいといえる。多くの場合、「渋滞中の高速道路を走るペース」と「一般道を走るペース」は似たり寄ったりなのだ。
たとえば5月3日、東名下りの秦野中井IC付近では最大45kmの渋滞が予想され、通過に1時間50分を要する見込みである。渋滞中の平均車速は約24.6km/hであり、これは日中の混雑していない時間帯に神奈川県内の一般道を走るペース(23.4km/h)と同じくらいだ。*1
*1 令和3年度 全国道路・街路交通情勢調査 一般交通量調査
その他の渋滞ポイントを見ても、おおむね平均車速は20km/h~30km/hは出ている計算であり、「渋滞中の速度≒普通に一般道を走るくらいの速度」という傾向は変わらない。
もちろんゴールデンウィーク中は一般道における走行ペースも通常より遅くなると考えられるので、「渋滞していても高速の方が早い」という傾向はより顕著になるだろう。
ただし例外として、事故発生直後など車線が大きく塞がれるような状況では、車の列がまったく動かなくなってしまうこともある。このような場合には迂回も有効な選択肢になりうるので、ハイウェイラジオや道路情報板などをこまめにチェックしておきたい。