不動産価格の高騰が話題になって久しい。たしかに東京都区部の新築マンション価格は1億円を優に超え、一般国民には到底手が届かない状況になっている。東京の湾岸エリアのタワマンも戸当たり価格が1億8000万円などとなると世帯年収で1500万円を超す年収を誇るパワーカップルであっても、もはや購入をあきらめざるを得ない。
不毛な不動産に対する規制
ここにきてその原因を「外国人が買い漁るせいだ!」「デベロッパー儲けすぎだろ」「転売ヤーがけしからん」など種々雑多な批判が飛び交いはじめている。そしてこの声は当然、国や自治体に届けられるようになる。
平成バブルと呼ばれた1980年代後半から90年代前半の地価狂乱時代にもNHKが「地価は50%下げられる」という特集番組を流して批判の目を向け、こうした声を受けた国は地価税の創設、国土法による届け出義務、不動産融資総量規制などあらゆる規制を連発した。結果は不動産価格の激しい下落を招き、大量の不良債権を発生させ、日本は失われた30年を続けるきっかけとなる。
古今東西、不動産に対する規制を効果的に成功させた事例は少ない。不動産は社会生活を営むための基本的なインフラだ。ところがその価格形成の仕組みを多くの政治家や役人が理解していないために、いたずらに「なんとか退治」のような対策を掲げてしまい、マーケットに激烈な反応を引き起こし、思ったものとは異なる結果をもたらしてきたのだ。
さて今回、漏れ伝わってくる規制内容にはどのようなものがあるのかみてみよう。規制対象の主な分野は「外国人」「転売」そして「節税」の3つだ。
(1)外国人が取得する不動産
外国人によるマンション爆買いが価格上昇の一因となり、購入に何らかの規制を掛けようという声が大きくなっている。こうした指摘を受け、国土交通省では購入実態の調査に乗り出した。
結果は意外なものだった。東京23区における直近6か月で供給された新築マンション取得者のうち外国に住所を持つ人の割合は3.5%。都心6区でも7.5%にすぎなかったのだ。国・地域別では台湾が192件と圧倒的に多く、中国の件数はわずか30件。中国人の爆買いを信じていた側からは意外との声が沸き起こった。
だがこの結果をもってして「外国人の取得は大したことはない。中国人ガーなどというのもデマに過ぎない」と結論付けることは性急だ。


