放送中のNHK連続テレビ小説「ばけばけ」は、“怪談”で知られる小泉八雲とその妻をモデルとする作品だ。ヒロインのトキを演じる髙石あかりさんは、撮影中に何を思ったのか? 胸の内を「文藝春秋」に明かした。
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「怪談よーけ知っちょります!」
〈トキは18歳で一度目の結婚をするが、借金問題等がこじれて離婚し、しじみ売りで家計を支える。そこへ英語教師として松江に招聘された西洋人、レフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)が登場。
ヘブンの女中となったトキは英語がわからない。「Beer(ビール)が飲みたい」と言われても、琵琶や独楽を用意してしまうなど言語の壁はなかなか越えられない。
そんな中、寺の住職から聞いた怪談にヘブンが興味を示す。
「怪談よーけ知っちょります!」
怪談好きのトキは、ろうそくを灯した暗い部屋で『鳥取の布団』を披露する。ヘブンは、トキが語る日本語の半分も分からないのに面白いと言う。リクエストされ、トキが何度も語るうちに、ヘブンは怪談の物語に胸を打たれ、涙ぐむ。やがて怪談を通して2人だけに通じ合う感情が芽生え始める。〉
いくつもの怪談を覚えて、一気に撮影をしました。自分にとってすごく大きな1週間になりました。怪談を語るのはオーディションでもやりましたが、ひとつひとつの情景を想像しながら、怪談を覚えていきました。話の中の登場人物の言葉、たとえば「ごめんね、ごめんね」と感情を声に乗せて語ったりするところに私がその作品を見る視点も自然と出てしまう。




