劣勢からの逆転劇だった県知事選。その立役者は二馬力選挙で戦った立花孝志だけではなかった。“表”のSNS担当だったメルチュの折田楓。そしてもう1人、“裏”のSNS担当の女性がいた。彼女たちに真相を問うと――。

 

▶メルチュ折田社長の代理人は工藤会の守護神だった
▶SNS400人部隊を構築した元女性教師を直撃
▶LINEチャットを大量入手〈立花さん効果出てます!〉

 

■《連続報道》兵庫県知事・斎藤元彦
#32 PR会社「メルチュ」折田楓社長(33)の“神頼み”を発見撮!

#33 斎藤元彦「冷血の知事」 メルチュ折田楓社長を発見撮!

#34 斎藤元彦の最暗部「4億円パレード補助金」
#35 元県民局長の自死を招いた 斎藤元彦「暴挙の8日間」

#36 今回はこちら

 憎悪が憎悪を呼び、県民の分断が深まるばかりの兵庫県知事選だった。それが、「冷血の知事」が望んでいた帰結だったのか。

 昨年11月19日の午前10時ごろ。週末まで20度を超えるほどだった神戸市中心部の気温はこの朝ぐっと下がり、冬の足音が近づいているようだった。

 2日前、下馬評を覆す逆転劇で再選を果たした斎藤元彦(47)の初登庁。多くの人々が彼のシンボルカラーだった青の花を手に、花道の如く通路を開けていた。

斎藤の演説には次第に多くの聴衆が

 カジュアルなジャケットとロングスカートに身を包んだ広末涼子似の女性は、群衆からは少し離れ、報道陣の近くに佇んでいた。すぐ隣に寄り添っていたのは、兵庫維新の会の県議だった増山誠(46=3月に離党)。選挙戦最終日に自身のX(旧Twitter)に斎藤と握手する写真をアップし、不信任案に賛成した旨を謝罪するなど、斎藤に人一倍擦り寄ってきた人物だ。

 彼女は、そんな増山とツーショットを撮るなどして時間を潰していた。「副知事になるんですかね?」などと問いかけ、増山は満更でもなさそうに笑う。

「お帰りなさい!」

 斎藤の姿と共に黄色い歓声と拍手が響く。復権した知事はファンサービスのごとく、1人1人に挨拶して歩を進める。そんな中で彼女は増山にスマホを渡して野次馬を避けるように玄関の中へ入り、斎藤と笑顔で握手を交わしていた。

 この女性が果たした役割を思えば、それほどの特別待遇も当然だった。

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source : 週刊文春 2025年3月20日号