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『ホワイト・フェミニズムを解体する インターセクショナル・フェミニズムによる対抗史』(カイラ・シュラー 飯野由里子監訳 川副智子訳 明石書店 3000円+税)を読んだ。フェミニズムの2大派閥、白人フェミニストと彼ら/彼女らに反撃したインターセクショナル・フェミニストの論争を描く。女性の権利を勝ち取るための戦いの途上、両者はどこで道を違えたのか。

『ホワイト・フェミニズムを解体する』

 1848年、世界初、女性の権利を求めて「セネカ・フォールズ会議」が開かれた。その主催者の一人に、白人フェミニスト、エリザベス・ケイディ・スタントン(1815〜1902)がいた。彼女は、奴隷制廃止運動に賛同する傍ら、女性参政権を獲得するために、女性がその高潔な本質によって道徳的な力を社会に行使するという論理を語った。世界の精神を高めるのは洗練された女性の力であるのに、女性は白人性の権利と優越性を奪われて、不当にも奴隷同然の状態にある、と。だから、他者をもっと周縁に置くことによって、既存のシステムの中で、中流階級の白人女性の権利と自由を勝ち取ろうと主張した。ホワイト・フェミニスト・ポリティクスの流儀はここから始まったのだという。

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source : 週刊文春 2025年4月3日号