【前回までのあらすじ】「ほんとは私――友だちを二人殺してるんだ」。「週刊文春」記者の速水理央(34)は、恋人に自身の過去を打ち明ける。他方、ニュース番組『フラッシュ11』のメインキャスター・鷲尾粧子(50)は、大御所芸人のウォッチャー目黒に強姦された後輩のディレクター・加藤大地を助けたいと思うができない。そのことをかつての上司・辺見鷹文に吐露する。
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また長らく思案していた辺見が、コーヒーで口を湿らせ、ようやく口をひらいた。
「なあ粧子ちゃん」
あまりにも久々に耳にして、びっくりした。
粧子の顔を見て、辺見が慌てる。
「すまん。つい、ぽろっと」
「いいえ」
急いで答え、もう一度しみじみと言った。
「いいえ。嬉しいです、とても」
辺見の隣でサブキャスターを務めていた頃は、オンエア中にもしばしばそう呼ばれていた。侮られているなどと感じたことは一度もない。辺見のそれはどこまでいっても親愛の表現だったし、視聴者から届く声を見ても、気の置けない二人のやり取りを愉しんでくれているようだった。
「では、粧子ちゃん」
「はい」
「ジャーナリズムにおいて、いちばん大きな落とし穴は何だと思う?」
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source : 週刊文春 2026年2月5日号






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