「チームのことなんて考えなくていい」走者のために打った和田を落合は咎めた。
(すずきただひら 1977年千葉県生まれ。日刊スポーツ新聞社に入社後、中日、阪神を中心にプロ野球担当記者を16年経験。2019年よりフリー。著書に『清原和博への告白 甲子園13本塁打の真実』、取材・構成担当書に『清原和博 告白』、『薬物依存症』がある。)

中日ドラゴンズの一行を乗せた大型バスは、夜の中央道を西から東へ向かっていた。和田一浩は後部座席に火照った体を沈めながら、足先に不気味な疼きを感じていた。車の振動よりも速く強く、左足親指の付け根がズキン、ズキンと脈打っていた。
2010年8月10日、中日は横浜と、甲府市の小瀬スポーツ公園野球場でナイターを戦った。陽が落ちても気温の下がらない熱帯夜、3番バッターとして出場した和田は自らの打球を左足に当ててしまった。
直後は痺れた感じがする程度だったため、そのままプレーを続けた。
《大したことはないだろう……》
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source : 週刊文春 2020年12月10日号