つくづくこの世は理不尽だ。真相は正されず、犯人は捕まらず、戦争は終わらない。「誰でもよかった」という奴が狙うのはたいてい非力な女子どもであり、泣き寝入りせざるを得ないのはいつだって弱者だ。だからだろう、『罪と罰のスピカ』を読んでいると私の中の傷ついた正義感が「いっそこうなればいい」と、歪な笑みを浮かべているのが分かる。それを、もはや正義感と呼んでいいのかどうかはわからないけれど。

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source : 週刊文春 2026年4月9日号