
まさに買い物の最中に、おそらく増やすのではなく、むしろ使うか捨てるかして、ストックを整理したいんだろうなぁと、そこはかとなく気づくときがある。
しかしレジかごに放り込むなり、ワンクリックするなりの行動の方が、整理整頓や在庫確認よりよっぽど簡単だと感じるので、つい楽な方へ流れてしまう。
というのも、“買う”というのはお会計の際は財布も心も痛むが、実にシンプルな行為である。買った品物、あるいは買ってから後日届いた品物を、開封するのがめんどくさい、あるいは所定の位置に収納するのすらめんどくさくて玄関に置きっぱなし、となるレベルでメンタル落ちているとき以外は、欲望から実行に移すまでの難易度がかなり低い。
この敷居の低さはとにかく多くの品物を消費者に買ってもらうための戦略で、元手となるお金が無くても返品可を前提とすればやすやすと買えてしまうから、危険な誘惑で、常に過度の消費による貧乏化の気配を背後に感じながらではあるが、とにかく買うという行為自体は易しい。
反対に、買うのをひとまず待って、本当に要るかどうかを調べたり、月日が流れても本当にずっと欲しいままかを自問し続けるのは、まあまあ手間がかかる。
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source : 週刊文春 2026年4月9日号






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