【前回までのあらすじ】大宝テレビのディレクター・加藤大地が大御所芸人のウォッチャー目黒にレイプされた。同局のニュースキャスター・鷲尾粧子(50)と、加藤の親友の「週刊文春」記者・速水理央(34)は各々この件をニュースにしたいと考え、理央は取材を進めている。芸人の恋人・桜井憲二が粧子のマンションを訪ねたある夜、粧子は路上で理央に声を掛けられる。
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べつに悪いことをしているわけではないのだからと、どれほど自分に言い聞かせてもずっと後ろめたさから抜け出せなかった理由を、いま粧子は改めて噛みしめていた。
再びポーンと音が鳴り、十一階に着く。どうにかエレベーターホールへと降り立ったものの、それきり足が前へ出ず、吹き抜けの手すりにすがって遥か下の植え込みをぼんやり見おろす。腕がやけに重たい。そういえばスーパーであれこれ買ってきたのだった。卵は、割れてしまったかもしれない。
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source : 週刊文春 2026年4月23日号






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