【前回までのあらすじ】大宝テレビのディレクター・加藤大地が大御所芸人のウォッチャー目黒にレイプされた。同局のニュースキャスター・鷲尾粧子(50)と加藤の親友の「週刊文春」記者・速水理央(34)は各々この件を報道することを狙っている。理央は特派記者の鬼島と共に目黒本人や芸人コンビ『すぷりんぐズ』らに突撃取材を進めるが、決定的な情報を取れずにいた。
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たとえば「週刊文春」側が抜いた記事が、当事者から名誉毀損であるとして訴えられた場合、法律上いちばんの争点になり得るのは〈真実相当性〉という概念だ。
〈真実相当性がある〉
とはすなわち、
〈客観的な資料や証言、状況から見て、これだけ揃えばその内容が真実であると確信して記事を書いても無理はない、と判断するに足る状態〉
をいい、これが認められれば、仮に真実性が証明できなくても損害賠償などが免責され得る。
そもそも個人のプライバシーに関わる事柄が、間違いなく真実であることを証明するのは難しい。そのため、訴えられた雑誌側は記事の〈真実性〉を主張しつつも、実際にはこの〈真実相当性〉を立証すべく努めることになる。
「今回の件もそう。録画でもしてない限り、密室で何が起きたかを証明するのは難しいでしょ? 記事にすれば、十中八九訴えられる」
理央は、加藤を前に説いて聞かせた。痺れを切らした彼が、どうして自分の証言だけでは記事にできないのかと不審がり始めたからだ。
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source : 週刊文春 2026年5月28日号






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