【前回までのあらすじ】大宝テレビのディレクター・加藤大地が大御所芸人のウォッチャー目黒にレイプされた。同局のニュースキャスター・鷲尾粧子(50)と加藤の親友の「週刊文春」記者・速水理央(34)は各々この件の報道を企てる。目黒らへの取材を重ねるも決定的な情報を取れずにいる理央と特派記者の鬼島は、同僚の記者伝てに知った元芸人と喫茶店で落ち合った。

 

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「そのご友人は、目黒氏に対して、あまり良い感情は持っていないわけですか?」

 鬼島の問いかけに、

「まあそうですね」

 陰気な顔で金城史生が答える。

「そいつも僕と同じく、お笑いには早々に見切りを付けたクチで。現役時代、コンクールで目黒さんにボロクソ言われたのをいまだに根に持ってるくらいなんでね」

「ご友人は、あなたと目黒氏との間に起こったことをご存じなんでしょうか」

 金城は目を上げた。

「起こったこと、とは? 僕、あなたがたにもまだ何ひとつお話ししていないはずですが」

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source : 週刊文春 2026年6月4日号