最近私の推しがテレビに出演した。その圧倒的なパフォーマンスから想像できたことではあったが、私がそのジャンルのオタクだと知る幾人かから切実な雰囲気を漂わせた連絡が続々と届いた。あの人は誰なのか、こんな気持ち初めて、どうやったらあの世界に触れることができるのか、等々。わかる、わかるよ……と深く共感する一方で逃してなるものかと舌なめずりが止まらない。絶対にこの沼に沈めてやらねばと、あれもこれもとお薦めしている最中だ。すこぶる楽しい。『新刊100億冊ください』の周子はきっと、舞を前にこんな気持ちだったんだろう。どうして私たちオタクは、相手が宇宙猫顔になるまで機関銃のような早口で布教してしまうことを止められないんだろうね。

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source : 週刊文春 2026年7月23日号