「私たちはころころぽっくり死ねるみたいだね」とは、親族を心臓発作や脳梗塞といった不意の病で立て続けに失ったときに妹がこぼした言葉だ。心の準備もできないままに、大切な人たちが次々に手の届かない遠いところへと行ってしまったあの時期、自分たちを慰めるための精一杯な受け止め方だったと思う。責任感も自立心も強く、プライドの高い彼らにとって幸せな最期だったのだと、おそらく同じような体質であろう自分たちは、だからきっと幸せな最期を迎えられるに違いない、と。『終末パートナー』を読んでいてふと思い出したのは、あの時に飲み込んでしまったもうひとつの想い。私、本当は迷惑をかけてでも、のたうち回ってでも、もっと生きてほしかった。どんな形であったとしても、ただずっと一緒に生きていたかったのに。
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source : 週刊文春 2026年8月6日号






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