(1975年北海道生まれ。2012年『しろねこくろねこ』でデビュー。以来、『ともだちのいろ』『おひさま わらった』など約80冊の絵本を手がけてきた。新作絵本の巨大原画ほかを展示する「絵本作家 きくちちき展 いきものRhapsody」が開催中(〜12月13日/PLAY!MUSEUMにて)。)

僕の絵は、だいたいどれもサイズが大きいんです。A4判の絵本の原画でも、縦か横が約1メートルのものもあります。立って、体全体を使って描くのが僕のやり方。そうすると、やっぱりこれくらいの大きさが必要で……。それに納得いく1枚が描けるまでは100枚近くを費やすので、とにかく嵩張っちゃう。だから、9年前に今の家の購入を決めた主な理由は、広い作業スペースと原画や用紙の保管場所を確保するため。また、洋服のパタンナーをしている妻が独立して自宅で仕事をするようになったタイミングでもありました。さらに僕自身、絵本作家として軌道にのってきたがゆえの多忙さと、まだ幼くて手がかかる息子の子育ての影響で生活リズムが乱れまくってしまったのを、環境を変えて見直したいという思いもありました。おかげで引っ越しを機に、毎日数本のんでいた栄養ドリンクからは卒業できました。ただし、その分、チョコやポテチなどのお菓子につい手が伸びてしまうんですけど。最近、中学生になった息子から本気で体の心配をされるようになってきたので、そちらもそろそろ卒業しなくちゃ、なんて考えている今日このごろです(笑)。
182センチの長身ながら、あくまで穏やかな声音と気さくな表情。そんな人柄があらわれたようなおおらかで伸びやかな筆致が魅力の絵本作家きくちちきさんが、愛する家族と暮らす自宅兼アトリエは、神奈川県の相模湖から近い、小高い山の中腹に建っている。ここを選んだ理由は――。
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source : 週刊文春 2026年10月15日号
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