人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
いわゆる不倫旅行、その最終日の出来事であった。
夜更から降り出した雨で、旅館のガラス窓から望む山間はどんより霧が立ち込めていた。
並べて敷かれた布団には情交の痕跡。その脇に座って女は暗い表情で帰り支度をしている。
「ねぇ、少しこの辺りを散策してから帰らない? 友達にお土産も買いたいし」
その言葉に男は「いいよ」とだけ返した。
家には出張と偽り出掛けてきた。彼女と東京駅で落ち合い、わざわざレンタカーまで借り関西方面に向ったのも全て、人目を避けるためである。
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source : 週刊文春 2021年12月23日号