人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
“土曜の夜に街を歩いてごらん どこのホテルもバッチリ満員さ♪”
とは、岡林信康さんの初期の名曲『性と文化の革命』の出だしである。
高校時代、その曲の入ったLPレコードを買って何度もくり返し聴いた。
はっぴいえんどが演奏する軽快なロックンロール。それに乗って岡林さんの歌声もノリノリだ。
それに影響を受けて、自分ではオリジナルと称した似たような歌も作ったものだけど、当然、そんな現場を目撃したことはなく、ましてや己れがバッチリ満員で右往左往した経験などあるはずもない。
要するに正真正銘の童貞だったからだ。
それから随分、時が流れ、僕も一丁前にラブホを利用する大人へと成長したのだが――
「今から行く?」
と、酔った勢いで誘った時、彼女は、
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source : 週刊文春 2021年12月30日・2022年1月6日号