部屋に残されていた2通の遺書。1通は、極秘交際していたイケメン俳優宛てだった。死の直前、彼とアイドルとのLINEを見つけた沙也加。母・聖子とは弁護士経由で話すという孤独の中、さらに彼女に残酷な知らせが…。
札幌市内を観測史上最高となる55センチの積雪が襲った12月18日午前10時過ぎ、男性マネジャーは焦りを募らせていた。足早に向かったのは、街のシンボル「札幌市時計台」に程近い22階建ての高層ホテル。
「部屋を開けてくれませんか。昼12時から公演が始まるのに、まったく連絡が取れないんです」
マネジャーとホテルの従業員はスペアのカードキーを手に、彼女が泊まっている20階の一室を訪ねた。ところが、室内はもぬけの殻。誰もいない部屋の机に置かれていたのは、2通の封筒だった。1通は事務所宛て、もう1通は“ある男性”に宛てたもの。数枚の便せんに綴られていたのは、こんな言葉だった。
《女性にあんまり強い言葉は使っちゃダメだよ。一緒に勝どきに住みたかった。2人で仲良く、子供を産んで育てたかったです。ただ心から愛してるよ》
そして、男性が別の女性に心変わりしてしまったショック、自分が理想の女性になれなかったお詫び、夢見た未来がもう叶わない現実への無念や悲しみ……。
その遺書が、彼女の最期の言葉になった。
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source : 週刊文春 2021年12月30日・2022年1月6日号