年末年始にスキーをしながら考えたこと|三木谷浩史

三木谷浩史「未来」 第26回

三木谷 浩史
ビジネス 社会 政治 企業

 毎年、年末から新年にかけての休みは、家族と一緒に群馬県でスキーをして過ごしている。

 スキーは高校生の頃からやっていたのだけれど、本格的に始めたのはこの10年ほどのこと。プロの指導も受けてトレーニングを積んだ甲斐もあって、かなり自由に滑ることができるようになった。

 僕がスキーというスポーツを好きなのは、自分の性格に合っている気がするからだ。

 スキー場でダウンヒルを滑っていると、刻々と変化していく雪面の状況に対応しながら、どれだけのリスクを取るかを瞬時に判断していかなければならない。そんな中、様々な形のコブや斜面を克服していく瞬間には、新しい事業に取り組む時にも似たチャレンジ精神が湧く。何より雪の中を滑っているのは単純に気持ちいい。滑り終わった時は気分がとても落ち着いて、心からリフレッシュされたように感じる。

 ただ、こうした休暇中も、頭の中から「仕事」のことが消えるわけではない。楽天を起業して以来、「休んでいる」「働いている」といった感覚は自分の中からなくなった。

 仕事をしていても遊んでいるような気がする時もあるし、逆に休んでいても「これはビジネスになるかな」「こういうところにAIを活用したらどうだろう」と、目の前の光景を仕事につなげる発想が癖になってしまっている。楽天が2万7000人以上の社員を擁するようになった今は、大っぴらに「仕事も遊びみたいなものだ」と言うことはできないけれど、その感覚は自分の原動力の一つであり続けている。

A4の紙を用意して

 それに、年末年始の休暇は、僕にとって、ビジネスにおける「根源的な価値」の創造をじっくりと考える大切な時間でもある。ビジネスにおける「根源的な価値」とは何か。

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source : 週刊文春 2022年1月13日号

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