2022年の世界が抱えているリスクとは何か。新年早々日本のメディア各社は「ユーラシア・グループ」が提示した「2022年の10大リスク」を報じました。その一番のリスクに、「中国のゼロコロナ政策の失敗」が挙げられたのです。意外な感想を抱いた人もいることでしょう。そこで今週は、ユーラシア・グループの発表に依拠する形で、今年起きそうなリスクについて考えてみましょう。

 まずは発表主体のユーラシア・グループについて。これはアメリカの国際政治学者のイアン・ブレマー氏によって設立された政治リスクに関するコンサルティング会社です。世界各国の大手企業を顧客とし、世界各国の政治や経済、安全保障について分析。そのデータを提供しています。もともとはソ連や東欧などのユーラシア大陸に関して専門に分析していたので、この名前がありますが、いまは世界全体を見渡しての分析をしています。

 この会社が、どれだけ世界情勢を分析できているかを知ってもらうために、毎年「10大リスク」を公表しています。去年のトップには、「注釈付き第46代アメリカ大統領」を挙げました。これは、バイデン大統領が第46代大統領に選ばれたとはいえ、アメリカ国内にはバイデン大統領の当選を認めない人がいて、アメリカ国内の先行きが不安定であることを指摘していました。この発表の2日後、トランプ前大統領の支持者たちが、選挙結果を覆そうと連邦議会議事堂に突入しました。まさに予想的中でした。

 では、今年は、なぜ「中国のゼロコロナ政策の失敗」なのでしょうか。

 この発表を機に中国を見ますと、大都市の西安でコロナの感染を封じ込めるためにロックダウンを実施したものの、買い物に出られなくなり食料不足に陥っている市民のニュースが伝えられています。これは、まさに「ゼロコロナ政策の失敗」です。

 世界の多くの国が、新型コロナウイルスの封じ込めに失敗し、ワクチン接種を通じて「ウィズコロナ」、つまりコロナと共存する道を選んでいるのとは対照的に、中国は徹底的に封じ込めようとしています。

 その理由は、中国製のワクチンが信頼性に欠け、「ウィズコロナ」の道を選ぶのはリスクが高すぎるからです。

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source : 週刊文春 2022年1月20日号