週刊文春 電子版

「NON STYLEのくせに――」

「笑い神 M-1、その純情と狂気」第16回——職人的芸人から嘲笑を受ける二人。だが08年、彼らは変わった。

中村 計
エンタメ 芸能

 赤ら顔の石田明が、哲夫の胸ぐらをつかんだ。

「おまえがおらんかったら、おれらはもっと上におったんじゃ!」

 すぐ横にいた芸人仲間の中尾健秀が慌てて間に入った。

「石田を止めようと思ったんですけど、逆に僕が哲夫さんに止められましたね。『ええから、ええから』って。『全部、吐き出させてやれ』って。石田は酒が弱いんで、もうべろんべろんになってて……」

 2005年春のこと。大阪・弁天町の公園で、若手主体の劇場「baseよしもと」のメンバーである笑い飯の哲夫、千鳥の大悟、NON STYLEの石田ら5、6人が花見をしていた。その席で、相容れない関係だった石田と哲夫が衝突した。

 細身で、白い衣装がトレードマークの石田が振り返る。

「哲夫さんとは、それまでにもいろいろあったんです。芸人がつまらないこと言ったら『おまえはNON STYLEか』みたいな言い方をされたり。居酒屋で飲んでいたとき、すだれ1枚を隔てて、向こうの席でずっと僕らの悪口を言ってたり。なので、その時は、酒の勢いもあって、爆発してしまったんです」

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source : 週刊文春 2022年3月10日号

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