解約するか否か。引くに引けない理由を、笑い飯の哲夫はこう語る。
「僕が言い出したんですよ。『東京にも家借りよ』って。だから、僕から『もう引き払うわ』とは言いにくい……。そんなんしたら、僕、めっちゃわがままじゃないですか」
笑い飯の2人は現在、大阪に住みながら、東京にもワンルームマンションを借りている。東京の住まいを利用するのは「月1、2回」(哲夫)程度。ならば、ホテルに宿泊した方が、はるかに経済的だ。
大阪吉本に所属しながら、いつかは全国区のスターとなる日を夢見る若手芸人にとって、どのタイミングで東京へ移籍するかは、じつに切実で、じつに難しい問題である。
もっともスムーズなのは、M-1で脚光を浴びるなど全国的な知名度が急上昇したときに、その勢いを駆って拠点を移す方法だろう。
笑い飯にも、そのタイミングはあった。もっとも弾みがついたのは、2003年のM-1決勝後だった。
02年のM-1決勝でセンセーショナルな全国デビューを飾り、翌年は『奈良県立歴史民俗博物館』という伝説のネタで、前年を超える大爆笑をかっさらった。哲夫が振り返る。
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source : 週刊文春 2022年4月14日号