「笑点」のお馴染みメンバーであり、寄席はもちろん、俳優業までこなす、落語界の広報部長が登場です! 美大出身ながら落語の道へ進んだワケ、こん平師匠との思い出や古典落語へのアツい想いなどたっぷりうかがいました。

 

(はやしやたいへい 落語家。1964年生まれ。埼玉県出身。武蔵野美術大学卒業後、88年に林家こん平に入門。92年に二つ目、2000年に真打に昇進。06年より「笑点」(日本テレビ系)の正式メンバーに就任。主演映画「でくの空」が8月26日から全国順次公開。)

 

阿川 たい平さんは「笑点」でお馴染みですけど、寄席のほうはどのくらいの頻度で?

たい平 コロナがちょっと落ち着いてた頃は、新宿の末廣亭に毎日上がったりしてました。夜のトリを取ってましたんで、毎晩30分くらい、ベラベラお話をしてました。

阿川 出演者同士のネタがかぶらないようにするのが大変だそうで。

たい平 昔は、偉い師匠方のネタは、前に出る若手はやらないようにっていう不文律はありましたね。たとえば八代目桂文楽師匠の十八番は「明烏」と決まっているので、昔は誰もやらないのが当たり前だったんですけど、最近はそういうこともなくなりました。だから、楽屋に入ってネタ帳を見ると、このネタはもう出ている、あの噺も誰かがやってるって頭を抱えることが多いですよ。

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source : 週刊文春 2022年8月11日号