歌舞伎の垣根を越えて、舞台や映画、ドラマで長きにわたり活躍し続けてきた稀代の名優が27年ぶりにご登場。弟の中村吉右衛門さんを始め、ご家族への想いを、どこか飄々としつつもチャーミングに語って下さいました。

 

(まつもとはくおう 歌舞伎役者。 1942年生まれ。東京都出身。3歳の時に二代目松本金太郎として初舞台を踏む。49年に六代目市川染五郎、81年に九代目松本幸四郎、2018年に二代目松本白鸚を襲名。19年にはミュージカル「ラ・マンチャの男」で単独主演通算1300回を達成。)

 

阿川 お久しぶりでございます。

白鸚 阿川さんは全然お変わりないですね。

阿川 そんなことないですよ。マスクしててよかった(笑)。1995年以来、2回目のご登場です。今歌舞伎ではコロナのご対応など大変そうで。七月大歌舞伎も感染者が出て公演が一部中止になったとか。

白鸚 我々の仕事はどうしても集まってやることが多いですからね。でも、稽古の時はみんなマスクをしてセリフを言ったり、器用にやっていますよ。いつか、「歌舞伎って昔は生でやってたのね」ということになんてならないといいんですけどね。

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source : 週刊文春 2022年8月18日・25日号