人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
ねぇ、想像してみてよ。
もし、あなたが少女でさ、親の仕事の都合で見知らぬ国に移住しなきゃなんなくなったとしたら。
もちろん言葉も分らない。そんな中での転校よ。
初登校の日は緊張で身体もガチガチ。先生に連れられ教室に入る。
「えー、このたび、ヨーロッパの方から日本の学校にやって来たベロニカさんだ。みんな、仲良くしてあげて下さい」
先生はそう紹介して、黒板にチョークで“ベロニカ”と、大きく書いた。
文字は読めないが、たぶん私の名前。実はこんな由来があるの。
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source : 週刊文春 2022年12月8日号