ジュージュー、チリチリと肉汁、溶けたバターが爆ぜる音を立てながら、分厚いTボーンステーキが楕円形の白皿にのって運ばれてくる。真っ白なシャツに真っ白な大判エプロン、そして黒い蝶ネクタイ姿のウェイターが、カットされた中央のひと切れをトングで持ち上げ、「ミディアムレアでお焼きしました」と注文の焼き加減を誇らしげに確認する――。この人気店「ウルフギャング・ステーキハウス by ウルフギャング・ズウィナー」の創業者が今年、84歳を迎えるウルフギャング・ズウィナー氏である。

　東京・六本木に初のアメリカ国外店としてオープンしたのが2014年です。日本国内には東京の3店舗と大阪、福岡を合わせて5店舗になりました。どちらの店でも表面は香ばしく、噛めば肉汁がしたたる極上のステーキを、お楽しみいただけます。

　高齢にもかかわらずシャンと背筋の伸びた大柄な体躯、エレガントに整えられた口ひげがトレードマーク。ドイツ語で「狼」「歩み」という意味が合わさった名前の「ウルフギャング（ドイツ語発音では「ヴォルフガング」）」は、ドイツ語圏ではよくあるファーストネームで、詩人ゲーテや音楽家モーツァルトも同じ名を持つ。
　第二次世界大戦が始まった1939年にドイツで誕生した。生まれたのは旧東ドイツ領だったが、1945年、戦争が終結してから旧西ドイツ領に移住した。

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3. 新聞に記事が掲載された日。予約の電話が鳴り止まず、本当に感動しました。｜ウルフギャング・ズウィナー