大モメにモメている安倍政権の看板政策。長時間労働の是正や格差撤廃で有権者の気を惹こうとしているのは見え見えだが、さらに「生産性アップ」と言われると違和感はぬぐえない。こんな法案で生産性は上がるのか。日本の働き方改革をライバル国と比べてみた。

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 米国系投資銀行で6年間働いた経験を持つ篠田勲氏(65)は、日本の働き方改革についてこう話す。

「日本独自の働き方にも良いところはあります。今回の改革法案の評判が良くないのは、定年制や年功序列の枠組みには一切触れず、労働時間の規制や格差是正といった『いいとこ取り』ばかりだからでしょう。それで本当にやっていけるの? という疑念は国民の側にもあるのではないでしょうか」

 安倍政権の最重要法案である「働き方改革法案」の国会論議がいよいよ終盤を迎えようとしている。

安倍政権の「看板」政策でもある

 今回の法案のポイントは何なのか。

 東京大学社会科学研究所の水町勇一郎教授によると、「最も重要な点は2つ。(1)長時間労働の是正と、(2)正規・非正規社員の待遇差是正」だという。

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source : 週刊文春 2018年5月31日号