【前回までのあらすじ】栄修大学広報課に勤務する藤島一幸は、Twitterでお笑い芸人・天童ショージへの中傷を繰り返していた。彼にとって天童は中学時代の友人だったが、人気者の天童に劣等感を抱いてもいた。天童が自殺し、ネット上での悪事が実名と共に「踊りつかれて」と題したブログで公開されると、ブログを見たと思しき友人から着信が。一幸は渋々電話を取った。
「久しぶりやなぁ。それより、えらいことになってるやん!」
小松とは中高の六年間同じ学校に通ったが、仲良くなったのは高校になってからだ。早々にバスケットボール部を辞めた二人は、よく大阪へ出て遊んだ仲だ。
「おまえ、ほんまにこんなツイートしたんか?」
「いや、やってるわけないやん」
考える間もなく嘘をついていた。認めたら最後、一気に同級生たちへ醜聞が回る。
「そうやんなぁ。おまえと天童仲良かったもんな。何やねん、この『枯葉』とかいう奴。知り合いか?」
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source : 週刊文春 2023年8月10日号