ジョン・カビラさん、川平慈英さん兄弟の父で、戦後沖縄でアナウンサーや放送協会会長として活躍した川平朝清さん(97)。両親は沖縄出身で、日本の植民地だった台湾に移住。台湾で生まれた川平さんが、台湾と沖縄から見た戦争を語る。

 戦争が激化したのは、私が旧制台北(たいほく)高等学校で台湾人学生と机を並べて学んでいた頃。昭和19年(1944年)の3月末、学生たちは日本帝国陸軍に召集され、学校は兵舎に。16歳だった私は友人と共に連日軍事訓練を受け、台北北東部の大屯山(だいとんざん)の峠で戦車壕を掘る任務にあたりました。当時、台湾はすでに空襲を受けており、米軍が上陸したら戦車を峠で食い止めるため、竹槍の先に弾薬をつけて戦車に体当たりしろと教わりました。要は自爆行為です。

 

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source : 週刊文春 2025年8月14日・21日号