長男から結婚相手が上野樹里と聞いても、「本当に何にも知らなかった」という平野レミ。それでも今は一緒によくおしゃべりをする仲だという。賑やかで風通しのいい、平野レミ流・家族のかたちを、初の自伝『平野レミ大百花』(中央公論新社)より抜粋してお届けする。

平野レミ ©文藝春秋

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「ベロの感覚は抜群」だった、次男の嫁・あーちゃん

 息子たち二人は、成人して、それぞれ自分の世界を持って、独り暮らしを始めていました。時々、家に来ては、「うちで食べているあの料理の作り方はどうするの?」なんて聞いてきて、料理も自分たちでやっていたみたい。

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 ある日、次男の率が若い娘さんを家に連れてきました。次男は海外留学から日本に戻って、広告代理店に勤めていました。「香菜ある?」と言いながら、玄関から台所に入ってきた率の後ろに、目がぱっちりと大きくて、背の高いお嬢さんが足音をドンドンさせながら「お邪魔します」とついてきた。それが後に次男の妻になるあーちゃんでした。

平野レミ ©文藝春秋

 なぜ、香菜かというと、うちの鍋には、刻んだ香菜をたっぷり薬味として使うの。昔、香港で食べておいしくて、我が家の定番になりました。当時は生の香菜が珍しくて、日本のスーパーではあまり手に入らなかったから、我が家で栽培していたのです。率は家で鍋をしようと思ったけれど、その薬味がスーパーで見つからなくて、我が家の香菜を取りに来たというわけ。

 あーちゃんは、当時まだ20代はじめで、「シジミやアサリが大きくなるとハマグリになる」「レタスとキャベツは同じだと思っていた」というほど、料理のことを何にも知らなかった。でも、ベロの感覚というかセンスは抜群でした。

 料理を手取り足取り教えたというわけではないけれど、私のやり方を見て覚えて、自分でも勉強して、食育インストラクターの資格もとって、いまは3人の子のお母さん。すごいよね。目も体も態度もでかいって、私はよく言うけれど、肝が据わっていて頼もしい。近くに住んでいて、食事にもよく呼んでくれるので、ワインを持って遊びに行っています。