「あの人だけはやめたほうがいいです」——久米宏にそこまで言われながら、平野レミと和田誠は出会ってすぐに惹かれ合った。初対面の夜から意気投合し、出会って一週間で結婚を決めた2人の馴れ初めを、平野レミ初の自伝『平野レミ大百花』(中央公論新社)より抜粋してお届けする。(全2回の1回目)
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久米宏が和田誠に「あの人だけはやめたほうがいい」と…
和田さんはその一年ほど前に私がテレビの生放送の歌番組で、声が出なくなる場面を見ていたのだそうです。私は大声でしゃべったり、のどを酷使したりするとすぐ声が出なくなる。ラジオでそうなると、久米さんは「レミさんの『のどちんこ』が骨折した」と説明していました。
その歌番組でも声が出なくなり、私はバンドの演奏を止めて「もう一回最初から」とやり直したのです。和田さんはそれを見て「珍しい歌手がいるな」と気になっていたみたい。仕事場のラジオで番組も聴いて、会いたくなって、紹介を頼んだそうです。
※久米さんは自著で、「僕はすかさず、『あの人だけはやめたほうがいいです。人生を棒に振りますよ』と取り合わなかった」と明かしている。
久米さんに断られた和田さんは、TBSのディレクターに頼み込み、1972(昭和47)年の秋に女性アナウンサーも交えて4人で食事することになりました。そのディレクターも「彼女は変わっているので、責任持ちませんよ」。でも、和田さんは「そういう女性がいい」と言ったそうです。
