「家に誘われても断るように」と言われていたけれど…

 TBSのビルにある日本料理店で初めて顔を合わせました。事前に久米さんに「和田さんってどんな人?」と聞いたら、「立川談志をつぶしたような顔の人」。確かにそんな丸顔の男性がいました。

※和田誠は、当時36歳。東京・銀座の広告デザイン会社「ライトパブリシティ」でたばこ「ハイライト」のパッケージデザインなどを手がけ、1968年に独立。映画や演劇のポスターや「話の特集」のアートディレクターなども務め、マルチな才能で知られていた。

 落ち着いていて、話が面白くて、物知りで。付け合わせに出た魚を見て、魚の目の位置で「左ヒラメの右カレイって言うんですよ」と教えてくれたの。これまでにも付き合った男性はいたけれど、みんなフワフワと浮ついて軽い感じでした。でも、和田さんは、地に足がしっかり、どっしりついている感じがしました。

 向こうも、私がしゃぶしゃぶのたれについて「これ、どうやって作るんですか?」とお店の人に質問する姿を見て、「この人は料理が好きな人だ」と思ったみたいです。

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 実は、久米さんから「ご飯の後で『僕の家に』と誘われても断るように」と言われていました。久米さんに反抗する気持ちもちょっとありました。もっと話も聞きたかった。だから、和田さんからそう誘われた時、初対面なのに私はついて行っちゃったのです。