「異端児」河野太郎の変節ぶりを振り返る
「変節」と言えば河野太郎先生の十八番だ。たとえば今年2月にこんな記事があった。
「持論封印 異端児の選択」
「念願の外相『変身ぶり』に疑問も」(朝日新聞 2月21日)
党と方針が異なる「脱原発」を訴え、元首相の森喜朗を「派閥のあしき勢力」と呼ぶ河野氏はながらく自民党内で「異端児」と見られてきた。
しかし。
《15年の初入閣直前、所属する派閥の領袖である麻生太郎からある選択を迫られた。「持論を封印して自ら総理大臣になってから実行するか、それとも大臣になることを諦めるかを選べ」》(朝日・同)
朝日は「河野が選んだのは持論の封印だったようだ。」と書く。
変化は顕著だった。
・今年1月の外務省職員への訓示で、15年に行革担当相として大使館員の数を減らしたことを「失敗だった」。ライフワークのはずの行革を否定し、周囲を驚かせた。
・これまで「米国がロサンゼルスを犠牲にしてまで日本を守ってくれるか。恐らくノーだろう」と懐疑的だった核抑止にも、外相となって以降は「米国の核抑止に頼らざるを得ないのが現実だ」と北朝鮮の脅威を理由に政府方針を繰り返す。
「変節することにブレない男」
これだけ見ても、脱原発や情報公開以外にも「ころっと大臣になったら変わられて」案件があることがわかる。
言ってみれば「変節することにブレない男」、それが河野太郎先生なのである。
読売新聞の今年2月の記事も見てみよう。「本流へ『化ける』異端児」(2月14日)
河野氏の父、洋平氏から派閥を引き継いだ麻生氏は将来の総裁選に備え、河野太郎を育てたい意向だと読売は書く。
《党内では「麻生は将来、河野家に派閥を戻すつもりではないか」との観測も飛ぶ》
そしてもう一人、麻生氏以上に河野氏に期待をかけるのが菅官房長官だという。
《河野とは当選同期で、同じ神奈川県選出の菅は、09年総裁選で河野の推薦人集めに奔走した。安倍に外相での起用を進言したのも菅だ。》
《ある外務省幹部は、菅から「河野太郎は必ず将来、首相にするから頼む」と何度も念押しされたと明かす。》