(5)ボラカイ島(フィリピン) 半年クローズ後は1日約6400人に限定
近年、世界各地でオーバーツーリズムが問題となっている。2012年にアメリカの有名旅行雑誌、『トラベル+レジャー』で世界最高の島に選ばれたフィリピンのボラカイ島では、観光客が急増。下水処理も不十分だったために水質汚染が深刻化し、ドゥテルテ大統領が半ば強引に半年間(2018年4月~10月)の閉鎖を決めた。しかし、半年間の閉鎖期間を経て2018年10月26日に再開されてからは、1日の観光客の受け入れを6405人までに制限、宿泊施設などについても下水処理についての規制をクリアしたところのみ営業の許可が出るなど、以前よりも環境の整ったリゾートとなった。
なお、日本からフィリピンへのアクセスについてもJALの羽田-マニラ便が2019年2月1日に就航。羽田を深夜に出発し、早朝に到着する便なので、マニラでの乗り継ぎを考慮しても、出発翌日早朝には島に最も近いカティクラン空港に着くことができる。これまでなら難しかった週末弾丸ボラカイ島も可能となりそうだ。
(6)ハワイ ANAの超大型機A380が就航
2016年にさまざまな事情でANAがエアバスの超大型機A380の購入を決めた際、その使い道に注目が集まったが、答えはハワイ線への投入だった。2019年5月24日から成田-ホノルル線で就航を開始する。ホノルルで行われる有名なマラソン大会に協賛し、「JALホノルルマラソン」と呼ばれるように、伝統的にJALはハワイに強い。その構図を変えるべく、ANAが挑戦状を送る形となりそうだ。このANAのA380で注目したいのは「ANA COUCHii(カウチ)」が設定されていることだろう。これはひじ掛けを跳ね上げる一方、足元の部分のレッグレストを座面と水平にすることで、エコノミークラスのシート3席ないし4席分を簡易ベッドのようなものにするしくみで、ニュージーランド航空が独自開発した「スカイカウチ」が元になっている。追加料金を払うことで利用できる。
JALも手をこまねいているわけはなく、2018年9月から、成田発ハワイ行きの便の機内食監修が、東京西麻布のレフェルヴェソンスの総料理長、生江史伸氏となった(プレミアムエコノミー・エコノミークラス)。なお、日本発便のビジネスクラスはこれまでどおり、山田チカラ氏の監修となっている。また、2018年12月からは、成田発着便にかぎり、ハワイのクラフトビールであるコナビールの提供が開始されている。
(7)エアーズ・ロック(オーストラリア) 19年10月末以降は登れなくなる!
通称エアーズ・ロックとよばれるオーストラリア大陸中心部のウルル。先住民族アボリジニーの聖地であることから、これまでも登山の是非が議論されてきたが、2019年10月26日をもって、観光客向けの登山が禁止となる。もし登山を考えたことがあるなら、今年の秋までが最後のチャンスとなる。最寄りのエアーズ・ロック空港までは、日本からカンタス航空がカバーしており、往復総額9万円台からとなっている。