平成最後の正月休みは、1月4日の金曜日を休めば、9連休も夢じゃない。
「連休」がうれしくない人はあまりいない。しかし、その反動で「連休明け」はつらくなる。連休が長ければ長いほど、仕事始めの朝、会社に向かう足は重くなる。働き方改革が叫ばれる中、現代人は連休の上手な過ごし方も身に付けておく必要がありそうだ。
そこで、横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長で心療内科医の山本晴義医師に、「仕事始めの日につらくならない正月休みの過ごし方」を解説してもらった。
連休中も、普段と同じ時刻に起きること
「連休に限らず、普段の土日もそうですが、1日のリズムを狂わせないことがもっとも重要です。これが狂うと元の生活に戻すのに苦しむことになる。そうならないために実践したいのは、“起床時刻を変えない”ことです」
山本医師によると、普段仕事のある日の理想的な起床時刻は、始業時刻の3時間前。つまり、9時に始まる会社なら6時に起きるともっともスムーズに仕事を始められるという。
日頃からそうした「起床時刻の定時化」を励行し、会社が休みの日でも同じ時刻に起きるように習慣づけることが、連休明けのダメージを最小限にしてくれるという。
「せっかくの休みですから、日中は何をしてもかまわないし、夜は何時に寝ても自由です。ただ、朝起きる時刻だけはきちんと揃える。それだけのことで、体内時計は順調に回り続けます。これを徹底するか否かで、連休明けの体調はだいぶ違ってくるのです」
過去の反省から「暴飲暴食」を予防する
「何をしてもかまわない」という山本医師だが、「暴飲暴食だけには気を付けてほしい」と釘をさす。連休中に酒浸りの日々を送ってしまったのでは、どんなに起床時刻を整えたところで、連休が終わる頃には体が労働に耐えられない状態になってしまう。
「過去に正月休みに飲み過ぎて、つらい仕事始めを経験したことのある人は、その時のことを思い出すことでセーブできることはあります。ただ、あまり楽しい取り組みではないですね」
連休の目的はあくまで「リフレッシュ」と考え、適度に体を動かして、年末年始を楽しむ姿勢を堅持したい。
仕事のことは考えてもいいが、メリハリを付けて
せっかくの休みの日に、仕事のことは考えたくないものだ。しかし、気になる人は気にするし、気にしないように努力することで気疲れしてしまう人もいる。こうなると負のスパイラルだ。
「仕事のことは、忘れられるなら忘れたほうがいいでしょう。でも、無理に忘れようとして、それでストレスを背負い込むのでは意味がない。どうしても仕事のことが気になるなら、『○時から1時間は仕事の整理をする』と時間を決めて、それ以外は仕事から意識を遠ざけるようにするといいでしょう。メリハリを付けることが重要で、四六時中メールチェックをしたり、ことあるごとにパソコンやスマホで調べ物をしたり、ということは避けるべきです」