パリジャンの見出しは「寒さ一撃 黄色いベストに」
そして「第5幕」の12月15日土曜日。
寒い! スマホを見るとマイナス1度。
翌日の「パリジャン日曜版」の一面大見出しは、「寒さ一撃 黄色いベストに」だった。
「動員の第5幕はデモ隊の数は明らかに減少し、緊張もずっと弱かった」と続く。確かに、その通りだった。いくつか衝突は起き、催涙弾が発射されたものの暴動には程遠い。暴徒は来なかった。
デモが終わった後、カルチェラタンに行ってみた。1968年の主戦場だ。銀行にはベニヤ板が打ち付けられていたものの、その他の店はいつも通りで、クリスマス市も開いている。ソルボンヌの前も落書きすらない。静謐そのものだった。
2019年度の燃料税引き上げ中止だけでは十分ではないと分かった政府は、「第4幕」のあと、12月10日に再びマクロン大統領が登場、最低賃金の引き上げや年金への増税棚上げを発表した。しかし、富裕税復活だけは頑固に拒否した。演説後のテレビ討論会で経済学者のトマ・ピケティは「マクロンは学校で富裕税を廃止すれば経済が上向くと習ったのだろうが、そうじゃないんだ」と批判していた。
「黄色いベスト」運動はいつ、どんな形で復活するか
クリスマスを迎え、2018年を終えようとしている現在、「黄色いベスト」運動は、収まったかに見える。しかし終わったわけではない。「黄色いベスト」運動は、ピケティの言う「格差」、いや、もっと前からの、1995年にシラク氏がスローガンにして当選した「社会の亀裂」がいよいよ限界点に来てしまったという構造的なものに由来しているからだ。
いつ、どんな形で復活するのか?
高校(バカロレア改革など)、大学(外国人授業料値上げ)、農民、運転手、建設業者、民間救急車……それぞれの要求と運動がある。それが合流するのだろうか。
あるいは、来年5月の欧州議会選挙に収束するのだろうか。
まだまだ誰にも先は読めない。