東海大の初優勝を後押しした「GO東海」ボードの謎――箱根駅伝2019「TVに映らなかった名場面」往路編

【3区】青学・森田の区間新と「GO東海」の誕生

マニア　3区はやはり青山学院大・森田歩希選手の区間新。「故障してたんじゃないのかよ」という、渡辺康幸・早大前監督の言葉を思い出しました。

西本　練習できていないからと選考から外れてたのが、急にメンバー入りして。森田選手にしては珍しく必死の走りが印象的でしたよね。ただ……EKIDEN News的には、ここにいる東海大元主務・西川くんの動きに触れざるを得ません。西川くんの沿道での応援が東海大の優勝を後押ししたといっても過言ではないのですが、この3区が始まりでした。

西川　もともと東海の西出コーチに、お前になら選手も反応するから応援してくれと言われて沿道に行ったんですが、1区、2区は全く気づかれなくて（笑）。そこでポールさんから、何かボードがあった方が目立つと言われて、藤沢にある八百屋さんでもらったダンボールに、「GO東海」と書いて応援することにしました。

西本　「GO東海」は元々、東海大学陸上部が出雲駅伝から#GOTOKAIというハッシュタグを広めようとしたことが始まりです。でも、そのときはあまり使われなかった。それが「GO東海」のボードを持った西川くんが3区を走った同姓同名の西川雄一朗選手を応援しはじめたあたりから、このフレーズがジワジワ浸透していきます。ネット上に今年は東海がおもしろい、東海を応援しようというムードが広まっていくんです。