2018年下半期(7月~12月)、文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。社会部門の第4位は、こちら!(初公開日 2018年7月31日)。
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Q 大地震には、どういう心構えで備えるのがよいでしょうか。
大阪北部地震や西日本豪雨など、自然災害が続いています。特に1995年の阪神・淡路大震災を経験した人のなかには「しばらく大きな地震は心配しなくて大丈夫だろう」と思っていた人もいるかもしれません。今後、起こる可能性が指摘されている「南海トラフ地震」などには、どういう心構えで備えるのがよいのでしょうか。(40代・男性・教員)
A 「大きな地震が来たから、しばらく大きな地震はないだろう」とは、全くの誤解です。
日本に住んでいる以上、「地震がない」というところはありません。「大きな地震が来たから、しばらく大きな地震はないだろう」とは、全くの誤解です。大きな地震が起きたことにより、周辺で新たな地殻変動が起きることがありますし、まったく別の活断層にストレスがかかったり、ストレスが発散されたりして地震を引き起こすこともあるからです。
南海トラフ巨大地震は、以前は東海地震、東南海地震、南海地震と、3つの震源域で別々に大きな地震が発生すると想定されていました。ところが、東日本大震災で、複数の震源域が同時に動いたことから、「最悪に備えよう」と、3つの震源域の同時地震を想定。これが南海トラフ巨大地震です。
ですので、実際には東海地震だけだった、あるいは南海地震だけだった、ということも起こりえます。
もし3つの震源域で連動して同時に地震が起きた場合、揺れる時間は、これまでになく長くなる恐れがあります。地震の揺れはすぐに収まるという常識が通用しません。
南海トラフ巨大地震で一番恐れなければいけないのは津波です。いま住んでいる場所、働いている場所の海抜を確認し、その地域では最大何メートルの津波が予想されているのか、そのときどこに逃げるか、必ず確認しておいてください。
地震の予測可能性は「30年以内に何パーセント」と表現されるので、つい「地震が起きるのは30年後」と勘違いする人がいます。これは、いますぐ起きるかもしれないし、明日かもしれないし、30年後かもしれない、という意味です。いま起きたらどうするか。いつも考えていてください。
質問者は先生ですね。生徒たちにどんな言い方をすれば、過剰に恐怖心を与えずに警戒してもらえるか、日頃から検討してくださいね。
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