「コンサルティング業務に対する適切な対価」
竹田恒和 JOC会長
「調査報告書は、招致委員会からブラックタイディング社への支払いはコンサルティング業務に対する適切な対価であったと結論付けている」
FNN PRIME 1月15日
記者会見で竹田氏はJOCによる調査報告書に基づき、ブラック・タイディングス社への支払いは「適切な対価」だったと強調した。
しかし、ジャーナリストの伊藤博敏氏によると、ブラック・タイディングス社自体がダミー会社であり、同社の所在地は閉鎖された古びた住宅棟なのだという。招致委員会はブラック・タイディングス社の人間と会っておらず、電話だけで取引を済ませている(現代ビジネス 1月17日)。何より、JOCは約2億3000万円がどのように使われていたかを把握していない。竹田氏も衆院予算委員会で使途について「確認していない」と認めている(産経ニュース 2016年5月16日)。
また、ブラック・タイディングス社のタン・トンハン元代表は1月16日、コンサルタント業務をしていないにもかかわらず収入を「コンサルタント料金だった」と虚偽の報告をしたとして有罪判決を受けた。2月20日より収監される予定だという(FNN PRIME 1月16日)。
JOCによる調査報告書は「独立性がない」「解釈論に終始」
JOCによる調査報告書に対しては、企業法務に詳しい弁護士らで作る「第三者委員会報告書格付け委員会」の8人のうち2人が5段階評価中最低の「不合格」判定、残る6人が次に低い「D」判定を下している。格付け委員会の評価書には「調査チームにオブザーバーとしてJOC理事などが加わり、独立性がない」「コンサル会社の代表やIOC委員から調査の返答を得られていない」「日本法の解釈論に終始するばかり」などと記されていた(東京新聞 1月16日)。
竹田恒和 JOC会長
「当時、事務局が必要性、最後のゴールに向かって契約の必要性を話して、わたしもそれを十分理解したし、その時にそういった疑惑を持つような贈収賄のようなことは、誰も考えてなかったわけです」
FNN PRIME 1月11日
こちらは2016年に行われたJOCによる調査の後、竹田氏が語ったもの。コンサルタント契約について、「わたしもそれを十分理解した」と言っているが、何をどう理解したのか説明してほしい。また、竹田氏は仏司法当局の聴取に対して、招致委員会の事務局から「ロビー活動に重要」との説明を受けたと語ったと仏ルモンド紙が報じている(産経ニュース 1月15日)。