22歳で北極から南極を人力踏破、23歳で七大陸最高峰の登頂に成功、その後も辺境から都市まで世界中を旅して撮影を続けている写真家・石川直樹さんの個展「この星の光の地図を写す」が開催されている。北極、南極、ヒマラヤの8000メートル峰、ニュージーランドの原生林、ポリネシアの島々、日本列島の南北に連なる群島の写真に加え、実際に遠征で使用したテント等の装備、旅先で入手した置物なども展示。約20年にわたる旅の軌跡を追体験できる構成になっている。
「僕の興味は自然そのものよりも、自然と人間の関わり方にあります。北極のイヌイットやポリネシアの海の民など、そこに暮らす彼らの生きる力に、僕は否が応にも惹かれるんです」
そんな視点で撮られた写真を追っていくと、国境で区切られた世界とは異なる、別の表情をした地球が見えてくる。
「旅をするのは世界を自分の身体で知覚したいと思うから。展示は旅のシリーズごとにまとめていますが、僕の中ではすべての旅が新しい星座を作るようにして繋がっています」
世界中のあらゆる場所に行ってきたが、今後もし叶うなら、火星にある高さ約2万7000メートルのオリンポス山に行ってみたいそうだ。
「ヒマラヤは麓から見ると壁のようでした。その3倍以上あるオリンポス山がどのようにそびえているのか、この目で確かめたい。登れるものならぜひ登ってみたいですね」
INFORMATION
個展『この星の光の地図を写す』
~3月24日。東京オペラシティ アートギャラリー
http://www.operacity.jp/ag/exh217/