「金持ちに生まれた人間の苦しみは普通の人には分からんだろう」
麻生太郎 副総理兼財務相
「婦人に参政権を与えたのが最大の失敗だった」
しんぶん赤旗 2008年9月23日
今回の失言もそうだが、麻生氏には女性軽視とも取れる発言が多い。昨年、女性記者へのセクハラ疑惑を報じられた福田淳一前財務事務次官を「セクハラ罪という罪はない」と擁護したのもその一例である(ロイター 2018年5月8日)。
麻生氏の究極の女性軽視発言が、1983年に高知県議選の応援演説で語ったという上の発言。正しくは「東京で美濃部革新都政が誕生したのは婦人が美濃部スマイルに投票したのであって、婦人に参政権を与えたのが最大の失敗だった」。身内をかばうときは「福田の人権はなしってわけですか」と凄んでみせるが(テレ朝news 2018年4月17日)、女性の人権についてはなんとも思っていないようだ。
麻生太郎 副総理兼財務相
「とてつもない金持ちに生まれた人間の苦しみなんて普通の人には分からんだろうな」
毎日新聞 2008年9月24日
最後にもう一度お金についての発言を。首相就任時、毎日新聞のコラムで報じられたもの。失言ではないが、インパクトはある。
麻生氏とライバル関係にあった元自民党副総裁の山崎拓氏は、今回の麻生氏の失言について「最近はちょっとぼけ老人になりましたね。恵まれて育ちすぎて、上から目線でずっときているから、ああいう発言が次々出てくる」と評した(朝日新聞デジタル 2月6日)。
女性を軽視し、社会的弱者を切り捨て、何かあると他人のせいにする。これが麻生氏である。発言をどう切り取っても、時代遅れでいびつな思想しか出てこない。「子どもを産まなかった方が問題」ではなく、まともな子育て支援政策を打ち出してこなかった麻生氏ら政府のほうに問題がある。
麻生氏の問題は失言にとどまらない。ジャーナリストの江川紹子氏はツイッターで「麻生氏に関しては、こういう放言問題以上に、自殺者まで出した財務省の公文書改ざん、その責任者を国税庁長官に任命した自身の人事などの責任をとらずに居座っていることが問題」と指摘。「彼が居残る限り、安倍内閣は究極の無責任内閣と言わざるをえない」と強く批判している(2月5日)。