中畑清とのコラボ曲も
三鷹さんはさらにこんな打ち明け話もしてくれた。
「これはあまり知られていないと思うけど、1993年に『勝利めざして』という中日ドラゴンズの応援歌も歌っているんです。それと昔、中畑清さんが詞を書いて僕が作曲した曲もあったなあ……。あ、これだ。漫談家の青空うれしさんの『夜の東京・夢の街』という曲。彼が曲を出すって時に、仲良しの中畑さんに詞を頼んだんじゃないかな。まだ現役の頃の話だけどね」
三鷹さんが差し出した『夜の東京・夢の街』のレコードジャケットのクレジットには1984年発売とある。ベイスターズ前監督、中畑清が歌手として『十和田丸』など数枚のシングルを出していたのは有名な話だが、現役時代に作詞まで手掛けていたとは。さらには、その詞に三鷹さんが曲をつけている。縁というのは面白い。
最後に三鷹さんに『行くぞ大洋』をリクエストした。さらには往年の選手別応援歌もピアノ演奏とともに歌ってくれたのだが、これが圧巻の一言。高木豊、山崎賢一、それゆけ大洋……。85歳とは思えぬオペラ歌手のような声量で、高らかに歌い上げる名応援歌の数々。歌手・三鷹淳が現役バリバリであることを感じさせてくれた。
「今でもたまに東京ドームで野球を観るんだけど、7回に『闘魂こめて』が流れるでしょ? そこで周りに合わせてこの声で歌うんですよ。するとみんな驚いちゃって、僕の顔をじーっと見てくるの。ある時は“声楽の先生でもやっていらっしゃるんですか?”なんて聞かれてね。まさかこの曲を歌っていた者ですとも言えないしねえ(笑)」
今年はベイスターズ球団創設70周年。長い球団史の1ページを飾った『行くぞ大洋』を、三鷹さんの生歌で、フルコーラスで、満員のハマスタで聴いてみたい。
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