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五輪関係の質問で露呈する知識不足

桜田義孝 五輪相
「話には聞いているが、自分では読んでいない」

朝日新聞デジタル 2月13日

 13日の衆議院予算委員会で、国際オリンピック委員会(IOC)に採択された基本原則「五輪憲章」への理解を問われた際の桜田氏の回答。なんと、五輪相が五輪憲章を読んでいなかったのだ。詳しい内容だけでなく、憲章に書かれている五輪の目的についても理解していなかった。

 桜田氏は昨年11月、参議院予算委員会で立憲民主党の蓮舫氏から東京五輪の三つの基本コンセプトや大会ビジョンを問われて一つも答えることができず、「事前通告がなかった」と野党に責任転嫁したが、後に事前通告はあったことが判明して謝罪している。桜田氏は東京五輪のことも五輪そのもののことも何も知らないというのだろうか?

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衆議院予算委員会でオリンピック憲章を読む桜田義孝五輪担当相=2019年2月14日、国会内 ©時事通信社

安倍首相は「五輪招致に尽力した」と擁護したが……

桜田義孝 五輪相
「私が望んでもできない場合もある。私を任命する人の判断による」

毎日新聞 2月14日

 14日の衆議院予算委員会で、東京五輪の開催時まで担当相を続けるかを問われた桜田氏は、任命した安倍首相次第だと話した。桜田氏は五輪相に選ばれた理由を問われたときも「なぜ選ばれたか私にはわからない」とした上で「総理が適材適所と思って選んだ。その選んでいただいた人に、立派に任務を果たすように、しっかり取り組んでいる」と話していた(朝日新聞デジタル 2018年11月11日)。国民のためではなく、すべては安倍首相のために、というのが桜田氏のスタンスなのか?

安倍晋三 首相
「桜田大臣においてはですね…文部科学副大臣としてオリンピック招致に大変、ご尽力した一人。オリンピック担当大臣には適任」

テレ朝news 2月14日

 13日に行われた衆議院予算委員会での安倍首相の発言。しかし、桜田氏が文部科学副大臣に就任したのは2013年9月のこと。IOC総会で東京五輪の開催が決定したのは2013年9月7日(日本時間8日)のことだ。少なくとも桜田氏が文部科学副大臣としてオリンピック招致に尽力したことはない。今年1月、フランス当局が五輪招致疑惑についてJOCの竹田恒和会長の本格捜査に乗り出したときは、「(日本の)イメージとしてよくない。非常に残念だというのが率直なところだ」と他人事のようなコメントを出していた(朝日新聞デジタル 1月15日)。

 それでは一体、安倍首相は何をもって桜田氏が「適任」だと考えているのだろう?