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「大臣になりたい! なりたい!」 “がっかりしている”発言の桜田大臣、歴代珍言を振り返る

自民議員「失言は常態化、本人は全く気にしていない」

2019/02/16
note

ネットでは「切り取り」かどうか、論争が勃発

義偉 官房長官
「今回のことを深く反省し、配慮に欠けたということをしっかり胸に刻んで職責を果たしてほしい」

産経ニュース 2月13日

 野党からは桜田氏の罷免を要求する声が上がったが、安倍晋三首相らは退けた。菅官房長官も桜田五輪相の発言が「配慮に欠けた」と認めてはいるが、言いたいことは文章の後半の「職責を果たしてほしい」という部分のみだろう。

桜田義孝 五輪相
「びっくりした。病気のことなので、早く治療に専念していただいて、一日も早く元気な姿になって戻ってもらいたいというのが、私の率直な気持ちだ」

日テレNEWS24 2月13日

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 桜田氏への批判一辺倒だったネットの風向きが変わるのが13日の夜のこと。日テレNEWS24が桜田氏と記者の問答を全文公開した。続いて14日には産経ニュースが「『がっかり』だけではなかった 桜田五輪相発言」と題して同様の問答を掲載した。

「全文公開」によると、桜田氏はまず最初に上記のように発言、その後、記者の質問に答える形で「本当にがっかりしている」「盛り上がりが若干、下火にならないか、ちょっと心配している」などの発言が続く。

衆議院予算委員会で、答弁前に助言を受ける桜田義孝五輪担当相(中央)=2019年2月14日、国会内 ©時事通信社

全文公開後も賛否両論

 これに対してジャーナリストの佐々木俊尚氏はツイッターで「全文だと印象はかなり違う」と桜田氏を擁護(2月14日)。堀江貴文氏は同記事へのリンクにコメントする形で「マジでマスコミくそ」とマスコミ批判を行った(2月14日)。

 一方、作家の百田尚樹氏はツイッターで「全文読んで、ひどいコメントとあらためて思ったね」「命を失うかもしれない女の子を前にして、五輪やメダルへの落胆を言葉にする感覚が許せない」などと桜田氏への怒りを表明。「切り取り」だとメディア批判するフォロワーも「全文読んだら、『がっかり』なんて言葉がないのか! 『盛り下がらないか心配』なんて、言葉がないのか!」と切って捨てた(いずれも2月13日)。

 筆者個人としては、全文を読んでも印象はそう変わらないし、まともなことも言っているから失言が許されるとは思わない。だが、印象とは主観のものなので人それぞれだろう。「印象が変わった」という人が現れてもおかしくはない。しかし、それと大臣の適性は別の問題である。桜田氏はこれまでにも何度も失言や言い間違い、担当事案についての知識不足を露呈している。