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「大臣になりたい! なりたい!」 “がっかりしている”発言の桜田大臣、歴代珍言を振り返る

自民議員「失言は常態化、本人は全く気にしていない」

2019/02/16

 白血病と診断されたことを公表した競泳の池江璃花子選手について、桜田義孝五輪相が「がっかりしている」などと発言したことが大きな波紋を呼んだ。桜田氏は謝罪したが、その後、全文が公開されるとネットでは「切り取り」だとメディア批判が相次いだ。桜田氏の発言が妥当だったかどうか、桜田氏が五輪相として適格かどうかを考えてみたい。

桜田義孝 五輪相
「金メダル候補で、日本が本当に期待している選手なので、がっかりしている」

NHK NEWS WEB 2月12日

桜田義孝五輪相(左)と片山さつき地方創生相(右) ©時事通信社

 東京五輪でメダルの期待がかかっていた競泳の池江璃花子選手が白血病であることを公表したのが2月12日。その日の夜、NHK NEWS WEBが「白血病を公表 池江選手に励ましの声」と題した記事を配信した。記事には、スポーツ庁の鈴木大地長官、競泳の萩野公介選手らとともに桜田氏の次のようなコメントが掲載されていた。

「金メダル候補で、日本が本当に期待している選手なので、がっかりしている。早く治療に専念して頑張ってもらいたい。また、元気な姿を見たい。1人リードする選手がいると、みんなつられて全体が盛り上がるので、その盛り上がりが若干、下火にならないか心配している」

「一番言ってはいけない言葉」SNSで波紋

 池江選手の体調を案じるコメントが並ぶ中、桜田氏の「がっかりしている」「その盛り上がりが若干、下火にならないか心配している」という言葉は強烈なインパクトがある。ツイッターなどのSNSでは「一番言ってはいけない言葉」「選手はメダルを取るための駒ではない」などの批判の声が相次いだ。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は13日、「閣僚がかける言葉か。安倍政権の体質を典型的に表している。罷免を求めたい」とコメント。立憲民主党の枝野幸男代表も「大変な病気でお嬢さんが苦悩しているのに寄り添えない。この6年余りの政治の象徴ではないか」と批判した。野党だけでなく、公明党の石田祝稔政調会長も「がっかりしているのは(池江選手)本人だ」と述べた(産経ニュース 2月13日)。

©iStock.com

桜田義孝 五輪相
「突然の話にショックを受け、率直に残念と発言した。発言は配慮を欠いた。謝罪し、撤回する」

日刊スポーツ 2月13日

 13日の衆議院予算委員会では、自らの母も白血病と闘っていた経験のある立憲民主党会派の寺田学衆院議員から「あなたが今できる責任のとり方は、辞任以外ない」と詰め寄られたが、桜田氏は発言を撤回したのみで辞任は拒否。「治療を最優先で頑張ってほしい」と付け加えた。持参したメモを読み上げながら答弁すると、寺田氏から「紙なんか見ないで答えてくださいよ」と指摘された。

 桜田氏はかつて「答弁書を間違いのないように読むことが最大の仕事」と述べたことがある。「自分の言葉で答えてほしい」と野党議員に批判されると、「正確に答弁しようということだ。感情に任せて答えることはしない」と応えた(東京新聞 2018年11月23日)。今回の答弁にも桜田氏の感情は入っていないということなのだろうか?