自民議員「失言は昔から常態化、本人は全く気にしていない」
桜田義孝 五輪相
「大臣になりたい! なりたい!」
『週刊文春』2018年11月29日号
サイバーセキュリティ戦略担当大臣を兼務しながら、昨年「自分でパソコンを打つことはない」と言ってのけて大騒動になった桜田氏。『週刊文春』は自民党中堅議員の声として、「『鈍感力』抜群で憎めないキャラ。大物政治評論家が月一回開く朝食会に必ず出席して愛想を振りまくマメな面もある。失言は昔から常態化しており、本人は全く気にしていない」という言葉を紹介し、「一流の政界すり寄り術」と見出しを打っている。
桜田氏は日本会議国会議員懇談会の副幹事長を務め、神道政治連盟国会議員懇談会、みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会、国際観光産業振興議員連盟(カジノ議連)、パチンコチェーンストア協会などに名を連ねる。これらは桜田氏の主義主張であると同時に、彼の「政界すり寄り術」なのかもしれない。
文部科学副大臣だった2013年には「(放射能汚染されたごみの焼却灰は)原発事故で人の住めなくなった福島の東電の施設に置けばいい」と発言して批判を浴びた(産経ニュース 2013年10月7日)。「復興五輪」の五輪担当相とは思えない発言だ。2016年には「(従軍慰安婦は)職業としての売春婦だった。犠牲者だったかのような宣伝工作に惑わされ過ぎだ」と言い放って与野党の批判を集めた(日本経済新聞 2016年1月14日)。
朝日新聞と産経新聞の意見が珍しく一致
組閣前に記者の前で「大臣になりたい! 大臣になりたい!」と連呼して周囲を呆れさせたという桜田氏だが、どうやら弱い立場の人に寄り添う気持ちがまったくなく、出世欲ばかり強いようだ。
朝日新聞は社説で「かねて閣僚としての資質が疑われてきた桜田氏だが、その任に堪えないことが改めて明白になった」と記したが(2月14日)、産経新聞の社説も「五輪そのものに理解を欠く担当相を、適格とはいえまい」と厳しく批判している(2018年11月11日)。両紙の社説の内容がこれほど一致することも珍しい。日本は本当に桜田氏をこのままにして五輪本番を迎えるつもりなのだろうか?